新修中国詩人選集I(岩波書店)
「陶淵明 寒山」の中から。
後漢の張仲蔚は貧乏ずまいを愛し、
家のまわりには雑草が生い茂っていた。
この男はなぜひとりこうして
暮らさねばならなかったのか。
それは実に志を同じくする者の
まれなことによるのである。
彼はただひとりおのれの領分に安んじて
運命が開けるか開けぬかといったこととは
無関係なところに
人生の楽しみをおいて暮らしていた。
いいと思いませんか。
人生の楽しみは、
運命が開けるか開けないかになんて
関係ないところにあるって。
どんな運命が待っていようとも
自分は自分の人生を楽しむんだ、
っていう心意気が伝わってきます。
そんなことに
自分の楽しみは左右されない。
貧乏も気に入っている。
だから、何も怖いものはない・・・
運なんてどうでもいい。
運命なんて関係ない。
本当に、負け惜しみではなく
今の暮らしを真に愛していけたら。
それはとてもステキなことです。