鴨長明の生涯の望は折々の美景

鴨長明「方丈記」の一節。

命は天運にまかせて、
惜しまず、いとはず。
身をば浮雲になずらへて、
頼まず、まだしとせず。
一期のたのしみは、
うたたねの枕の上に極まり、
生涯の望は、折々の美景に残れり。

<現代語訳>
 自分の命は天に任せているから、
 命が尽きるのを惜しんだり、
 死を忌み嫌ったりすることもない。
 自分自身をはかない浮雲のように
 考えているから、
 あてにもしないし、
 不足とも考えない。
 一生の楽しみは、
 うたたねをしている気軽さに尽きるし、
 生涯の望みは、
 四季折々の美しい景色を
 見ることに残っているだけだ。

鴨長明の隠遁生活にあたっての心がまえ
いいですね。

すべてを天に任せて
この世界を見るため、聞くために生きる。

うたたねができる気軽さ以外何もないが、
やらなければならない嫌なこともない。
生きている間は、
美しい自然をたくさん見たい。

ホントそれで十分ですよね。
私も見習わなければ。
でもつい欲が出て、
もっともっと望んでしまいます。
特に今みたいなITの時代は
目移りしてしまうほど
いろんな情報や物が溢れているので。

たまには原点に立ち返って、
自分を見失わないようにしたいです。