良寛~印可の偈

印可の偈(いんかのげ)

良寛庵主に付す
良や愚の如く 道転た寛し
騰々任運 誰を得て看しめん
為に付す 山形爛藤の杖
到る処 壁間午睡閑かなり
寛政二庚戌冬
水月老衲仙大忍(花押)

良寛よ、お前は馬鹿正直と
いっていいほどに真面目で
融通がきかない誠実な男だが、
その前に広がる道は広々と開けている。
のびのびと運を天に任せて生きることだ。
きっと誰かがいずれ分かってくれるだろう。
旅立ちの道連れにこの山形の杖をやろう。
それを枕にどこでも気に入ったところで
昼寝を楽しむことだ。
(「良寛の道」平沢一郎)

良寛はの岡山の円通寺で
国仙和尚のもと
12年ほど修行したといいます。
良寛のことをよく観て理解している
やさしい思いやりのある言葉だと思います。
さすが良寛の師ですね。