良寛の無欲 天に任せる

盗難事件があって、
通りかかった役人に捕らえられ、
「お前が盗んだのだろう」と言われても、
良寛は、名も名乗らず、弁解もせず。
良寛の言い分。
「自分にも疑われるようなところが
あったのだから、反省して、
自然にまかせようと思った。」

浜辺の塩焚小屋が焼けてしまい、
良寛が燃やしたに違いないと疑われて、
村人に穴に埋められようとしていた。
そんな村人をなだめて、
良寛を家に連れて帰り、
「何故されるがままに黙っていたのか」
と聞いたところ、
「どうしようば(しかたがない)、
皆がそう思い込んだのだから、
それでいいではないか。」

良寛は何にもとらわれていません。
生命欲さえない様子。
それはうらやましい限りの無欲。
なかなかまねできるものではありません。

すべてを天に任せて
すべての運命を受け入れる。
命がけの覚悟があります。
そんなたいそうなことではないと
良寛は笑うかもしれませんね。