李白も隠遁「山中問答」

李白は中国が生んだ偉大な詩人。
官職を望みながら
生涯をとおして官職につくことはなく
放浪に明け暮れた人生を送りました。

若い頃、隠者と一緒に山水に隠棲して
道士の修行をした時期があり、
人生の多くの時間を旅に費やしました。

李白の作風は、リズミカルで天真爛漫。
李白は陶淵明の影響を色濃く受けました。
陶淵明は道士としての先輩。

李白「山中問答」

余に問う 何の意ぞ 碧山に栖(す)むと
笑って答えず 心自(おのず)から閑なり
桃花 流水窅然(ようぜん)として去る
別に天地の人間(じんかん)に非ざる有り

人は聞く どんなつもりで
みどり深い山奥に棲んでいるのかと
だが私は笑って答えない
心はどこまでものどかである
桃の花びらが流れる水に落ちて
どこまでも流れていく
ここは俗人の世界ではない
別天地なのだ

美しい山水の中、
凛とした意志を感じます。