束縛されずに自由に生きるために「荘子」

「荘子」とは、
紀元前4~3世紀頃の中国の
実在の道家の思想家 荘周のこと、
あるいはその著作のことをいいます。

荘周は、広い学識の故に
仕官を求められたにもかかわらず、
束縛を嫌い、自由の境涯を求め、
仕えることはなかったといいます。
名利を超え、孤貧に徹する生活を実践し、
その果てに、死の怖れから脱却し、
死は生存の苦からの解放と認識します。

著作は道家の説話や寓話を編集した書物で、
知の限界、胡蝶の夢(虚と実の世界の転換)
相対的な見聞の認識と絶対知のちがい
など、かなり豊富な内容が記されています。

「荘子」も「老子」も、
万物の根源を「道」としており、
「道」は無為自然。

「道」を実践すれば、
人間社会の束縛から解放された
絶対的な精神の自由や、
自然と一体になった魂の安らぎが得られる。

もちろん、「道」を実践するためには
覚悟が必要。

束縛されずに自由に生きるということは、
孤独や貧しさを友として
暮らしていくということ。
そうして、そんな暮らしを、
自分自身で選んで、
味わって楽しんで満足して暮らしていく。
それが隠遁生活の本質でしょうか。