「春の海
終日(ひねもす)のたり
のたりかな」
作者は与謝蕪村。
この句は、丹後の海を詠んだものと
言われています。
「ひねもす」は「一日中」。
「のたり」は「ゆったりしている」。
うららかな春の海で、
一日中 波がゆったりと寄せては返し
寄せては返ししている。
穏やかな春の海を目の前に
つい うとうとと
眠ってしまいそうな心地よさが
うまく表現されています。
まどろみたくなるような
穏やかな時間の流れる海の情景が
目に浮かびます。
俳句から画が浮かぶ叙景性が
蕪村の句の特徴。
とても写実的です。
蕪村は生涯の大半を旅に明け暮れ、
漂泊を創作の糧としていたそうです。
生き方もいいですね。