良寛は歌人 ~天上大風~

良寛は歌人でした。
俳句もつくったし、詩もつくりました。
村の子供たちと手毬をして遊んだり、
竹の子が床を破れば、
穴をあけて伸ばさせてやるなど、
奇行も多かったといいます。
優しい良寛様は、
子供用の童話にもなっています。

書の腕前も抜群だったそう。

「天上大風」

下から見ても分からないが、
天上では大風が吹いている。
大空を漂う凧はのんきそうであるが、
凧は天井の大風と闘いながら
大空に浮かんでいる。

まさに、良寛の生き様みたいですね。

昔、国上山ふもとのお土産物屋さんで、
良寛の書「天上大風」の
色紙を買いました。
切れのある書がいいなぁと思って。

「愛語」こそが一番大事 ~優しい言葉は生きる力

言葉といえば、
良寛は「戒語」なるものを残しています。
「戒語」は、戒めの言葉で、
たくさんの実例をあげています。

ことばのおほき(言葉が多い)
はやこと(早口)
かしましくものいふ(うるさく言う)
とわずかたり(問わず語り)
さしでぐち    ・・・などなど

200近くもあげられているそうです。
でも逆に、「愛語」といわれるものも
残しているそうです。

「愛語」こそが一番大事。
「愛語」とは、優しい言葉。
慈愛の心から発し、
人を喜ばし、心を楽しくする言葉。

良寛は言葉に敏感だったようです。
良寛自身が、きっと人の言葉で
深く傷ついた経験があるんだと思います。
良寛は、言葉を慎み、
沈黙の人であったそうです。

言葉は人を傷つけ、だまし、おとし入れ、
時には人を殺すことだってあります。
だからこそ、
「愛語」こそが一番大事なのでしょう。
良寛自身が最も欲しかったものに
違いありません。

「言葉」はとても大切です。
私たちの発する言葉自体で、
私たち自身も、
それを聞いた相手も、
元気にすることができれば、
打ちのめすこともできます。

いい言葉を口にしましょう。
きっと、周りも、自分も、
ほこっと明るくなります。

「足るを知る」天下とっても2合半

「起きて半畳、寝て1畳、
 天下取っても2合半」

どんなに広い家に住んでいても、
起きているときは
半畳のスペースがあれば充分だし、
寝るのにも 1畳あれば充分である。
いくら天下を取っても、
1食に2合半以上の飯を
食うことはできない。

多くのものを手に入れても、
結局すべては使うことができない。
人間が生きていくのに、
それほど多くのものはいらないということ。

そう思うと気楽ではありませんか。
人生にそんなに多くのものは
必要ではないんです。
なにをそんなに
あくせく働く必要があるでしょうか。
「足るを知る」です。

長い出張や旅行に
持っていく荷物を整理するとき、
必要な物って、意外にそんなにないんだと
思ったことはありませんか。
本当に必要な物って、
とても少ないんです。

足るを知って、あとは楽しみましょう。
嫌なことをがんばってやる必要なんて
本当はそんなにないんです。
逃げることは悪いことではありません。

逃げるというもの正しくありませんね。
目指しているものが違うだけです。
いる場所が違うだけ。

気持ちひとつで、気負いを軽く。
せめて 気持ちだけでも少し軽く。

そこにある幸せ「足るを知る」

老子の「知足者富」(足るを知る者は富む)
満足することを知っている者は、
心豊かに生きることができる。

「足るを知る」は、
しかたなく満足する
ということではありません。
「これでいい」のではなく、
「これがいい」と思えること。

今この時が一番幸せ。
この幸せが目的なんだということを
認識して、じっくり、ゆっくり、
今この時を十分満喫すること。

「ないものを数えるより、
 あるものを数えろ。」
「まだ」「もっと」はもういらない。
今のままでいい。
今の幸せを逃がすな。
もう何も探し求めなくていい。
何かやらなくちゃはもういらない。

足るを知ることがないということは、
満たされることがないということ。
常に不満が残るので、
心穏やかに生きることが
できなくなってしまいます。

きっと幸せはそばにいて、
気づいてくれるのを待っています。

人、花を見、花笑う

「人、花を見、花笑う」

花そのものにはいいも悪いもありません。
感情もありません。
存在だけが真実。
花が笑っていると感じられるのは、
見ている人の気持ち。

たとえば、玄関に飾られている花
きれいと感じる人
ああもうこの花の咲く季節なんだと
季節を感じる人
飾ってくれてありがとうと
花を飾った人の思いやりを感じる人
出入りに邪魔だと感じる人
何も感じない人
まったく気づかない人
・・・いろいろです。

花はあるがまま。
見る人の置かれている感情で
花の価値が決まります。
花を見て思う気持ちは、人の心の表れ。

いつでも「花が笑っている」と
思える自分でいたいと思います。